逗子S邸01案

新しいお仕事、逗子S邸01案。庭側(東南東方向)の間口4間、奥行き4.5間のシンメトリ切妻でご提案。環境が良いので5箇所で切妻ボリュームを凹ませて、中間領域をつくりました。庭に面する2階リビングは、柱間をすべて開口にした「間戸(まど)」に。妻側(北北東方向)はハンマーヘッド型壁面の中央に、背後の山の斜面を見るための象徴的な大窓を設けました。
ちなみに、この敷地、北側斜線が2方向(北北東方向、西北西方向)にかかりますが、天空率で逃げる作戦です。

リビングはクローバー間取り。多方向から光を導入します。「必ずしも機能的でなくて良い。もっとファンキーに。もっと妖しげに。NHKが集金に来ないくらいの。部屋はコーナーでも良い。・・・」といった高度なご要望を頂いたので、居場所だらけの物語性のある住宅を、楽しんで設計したいと思います。

浦和M邸02案

浦和M邸02案。東西に長く日当たりの良い敷地形状を生かすべく、今回は間口を一間広げ奥行きを半間狭めた案をご提案。2階リビングの目隠し壁を横強調の要素として利用。ピロティ感のある形状でまとめてみました。玄関は西方向からのアクセスとなったので、西面にもファサードをつくりました。01案のいいとこ取りして、なかなかうまくいったと思ったのですが、片流れ屋根は好みでない、和室とリビング間に吹き抜けを挟むのはイメージと違う・・・その他色々こだわりどころをお聞きしましたので、03案、間取りは大きく変更予定です。

伊賀の家 色検討

年末から現場が始まった伊賀の家ですが、森社長から風土に合うのは結構だけど、ナチュラルテイストの外観が地味すぎるというか、田舎の風景に同化しすぎてインパクトに欠けるんじゃないか、的な話をいただいたので、外観の色を再検討してみました。

考えたのはこんな感じ。屋根ガルバは真っ白に。壁は木だけどオレンジ系。軒天やサッシまわりはしっかり真っ黒にして、鉄骨造的なシャープさを出すとともに樹脂サッシの甘いディテールを消し去る、という案です。

雪が降った後の風景って爽やかですよね。ちょうど新潟で大雪が降って新潟Tさんの家も真っ白(写真はTさんのフェイスブックよりお借りしました)。木と白い屋根よく合うんですよね。また、白は反射率高いので、夏季の負荷低減になるからパッシブハウスとしては理にかなっています。

木部は当初ウッドロングエコで想定していましたが、原色に近づけた方が都会的な雰囲気が出るので、オレンジ系に。横浜S邸くらいの色合いにしてもいいのではないかと。

玄関横の壁は真っ白にして、看板代わりに。この写真がホームページのトップを飾ってもいいと思います。

B棟も同じ原理で着色。アイストップとなる向かって右の壁は、例えばベンガラ色とかで着色しても面白そう。

C棟も、屋根は白、木はオレンジ、骨組みや軒天は真っ黒に。樋もないので、とてもシャープな印象になりそうです。

 

花見川区O邸02案 


花見川区O邸02案。今回のミッションは完全に勾配屋根の表現をやめることと、縦列駐車でなく直角駐車とすること。北の道路側から見た外観は01案の立面を踏襲してます。


少し西側に回り込んだ外観。できるだけ簡単な立体にすることを目標にしていますが、直角駐車かつ、高度斜線がかかるので、どうしても複雑な形になります。分身の術という感じでこれはこれで面白いですかね。


庭側から見るとまた、まったく違う外観となります。土浦亀城っぽいでしょうか。密集地なので2階は行き違い窓を2つ積み、できるだけ上の方から採光しようとしています。テラス上部には大きな庇を出しました。

森山高至さん2018年の予言

毎年恒例の森山高至さんの予言ですが、今年はフェイスブックに書き込みいただいたのでこちらにも転載いたします(以下引用)。

明けましておめでとうございます。Word Pressで新HPですか、ちょうど良いタイミングなのではないでしょうか。 一応、お正月にあたり今年の運気の流れを見てみました。

本年、平成30年は戊戌(つちのえ・いぬ)です。字が似ていますが、つちのえは土の兄という意味です。戊も戌も茂という字の造りです。つまり、繁栄を意味する歳であるということ、十干は植物の転成を暗示したものであり、戊(つちのえ)はちょうど、植物の成長の中間点。茂った樹木は陽にして盛んなれど、伸びすぎた枝葉の内側に陰を生じる恐れあり、の時期です。戌(いぬ)には矛という武器の意味もあり、樹木の剪定の時期を意味しています。むしろこの繁茂の中での一新が期待される歳でもあります。

これを建築業界で喩えるなら、オリンピック工事も佳境に入り未曾有の好景気と言われる建設業界ですが、忙しくなったというものの、現場で働く中小零細企業には実際にはその好景気の実感はありません。リニア談合問題でも噴出しているように、長い不況が続き建設業者は事業継承ができず新規参入者もいないなか著しい生産性の低下の中で、仕事を選ぶ傾向にあります。つまり、今年は取捨選択を誤ってはならぬ年ということになります。スリム化と尖鋭化です。それにより来年の己(つちのと)に自己の姿が現れてくることになります。

これを我々の身近なところで言えば、昨年までは手は広げるだけ広げるべきでしたが、本年は何をメインでいくかをハッキリさせる年になる、ということです。
僕の場合では、もはや建築系文化人(そんなんで本当に仕事になるのか不明ですが)を目指す以外ないのかな、、と半ば諦めの境地ですが、昨年から始めている建築や街のプロデュース的な仕事が伸びるのかもしれません。

飯塚さんの場合には、ここのところ取り組んでこられた「新人教育的思考」を通じての、設計施工の両方に対する普遍的な建築技術とデザイン技術の普及活動が、本格化するかもしれませんね。食育という言葉がありますが、住育、建育、といったような、現実の建物を建てながら、人々を教育していくような展開です。(引用終わり)

森山さん、あけましておめでとうございます。恒例の新春予言ありがとうございます。「醗酵するか腐敗するしかない」という昨年の森山さんの予言https://iplusi.exblog.jp/23771722/ のとおり、豊洲問題は完全に泥沼化、腐敗がどんどん進んでいますね。

幸い、アイプラスアイは発酵の方でうまくまとまりました。昨年の飯塚の活動を改めて振り返りますと、いつも通りの仕事+法政の構法スタジオに加え、オガスタ新潟さんとのコラボは建築知識ビルダーズや日経ホームビルダーに掲載され大成功、2年の歳月をかけて執筆した「新米建築士の教科書」は紀伊国屋本店建築書でトップテン入り、建築知識では「飯塚豊から見た最高の住宅工事」監修、伊礼さんとの書店セミナーや、オガスタ相模さんとのセミナーまであって、様々な活動の相乗効果で事務所としての醗酵が進んだ年だったと言えると思います。

さて、今年は「スリム化と尖鋭化」が要点ですか。昨年末新しい仕事が4つ始まって、進行中が10軒になり今年はもう何とか乗り切れそうな感じ、ちゃんと仕事選んで、これまで以上に仕事の「質」を高めていけばいいってことですかね。

「住育」も面白いです。なんとなく最近「建築家が今まできちんと取り組まなかったデザイン分野」に興味があります。それはモダニズム以前の古き良き時代の建築・建築家なしの建築とかはもちろんですが、人があふれる蔦屋書店T-SITE的なものとか、タブチキヨシさん的なものとか、インテリアコーディネート的なものとか、いろいろです。お施主さん含めて様々な人たちと接し、教えつつ学ぶということを通して、タコ壺化しない設計というものができればなあと思っています。

森山さん、ツイッターなどでつぶやかれていた「小説」書いて賞とるのいいと思います。年内にぜひお願いします。