建もの探訪放送1/5と新春恒例建築エコノミスト森山さんの予言

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
新年早々お知らせが3つ。


まず一つ目は昨年末より、アーキテクチャーフォトネットで本格的に求人かけております。この求人募集、本気で書いたんですがどうでしょうか。若い皆様の応募お待ちしております。

2つ目お知らせは、横浜M邸の建もの探訪の放送。テレビ朝日では新年1/5の早朝4:30~となっております(全国の放映時間はこのページの他、各局のHPご覧ください)ので、録画の準備をお願いいたします。

3つ目のお知らせは、新春恒例となりました、建築エコノミスト森山さんの予言です。昨年末にコメント欄に書き込み頂いたんですが、こちらにコピペしておきます。1年前の予言はこちらをご覧ください


飯塚さま

本年もありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
一応というか、毎年やってることなので、自分への戒めや備忘録としても、やって参りました来年の予言のコーナーです。
昨年は以下のようなことを書いていました
~2018年は取捨選択を誤ってはならぬ年ということになります。スリム化と尖鋭化です。それにより2019年の己(つちのと)に自己の姿が現れてくることになります。
これを我々の身近なところで言えば、2017年までは手は広げるだけ広げるべきでしたが、2018年は何をメインでいくかをハッキリさせる年になる、ということです。~
まさに!エコハウス大賞、おめでとうございました。
つまり、飯塚さんの活動は「エコロジーとは何か?」に集約されていくということでしょうね。
単純な省エネとか温熱住宅ではありませんよ。
エコロジー(Ecology)とは本来は「生態学」を意味します。
自然の中での生物の生存を考える学問であるということで、環境だけでなく、人間の生活圏として経済や建築をも含む広い概念です。
つまり、飯塚さんの活動は「生きやすさ」=クオリティオブライフ、生活の質を高めることを建築的に表現、ということになるのではないでしょうか。
2019年の暦は「己亥(つちのとい)」です。
つちのとは土の弟であり、現在立っている場所、中心の場所です。
ある種、自分の立脚点であり、本年までの努力の結果、つかみ取った土台といった意味があります。
亥は、種子が宿る、です。干支が子(ね)から始まるように2020年からスタートする次のステップへの準備期間でもありますね。
なので、今年の結果が良くも悪くもこれからの型を決めたということになります。
これを建築業界でたとえるなら、数年前から続いていた建築業界の様々な問題は結局はキッチリと刷新されることなく隠蔽保持されてしまったといえます。また災害が続いた年でもありながら、そのことを真剣に捉えて対処することからも逃げた年ともいえます。
しかしながら、問題点を明らかにしたり批判したり議論したり、多様な価値観は、むしろ活発化したともいえます。そういった意味では未解決の問題は来年すべて大きな問題へと発展するでしょう。そしてそのことはより多くの人々に広まり批判は大きくなるでしょう。一方、建築業界の人材不足や事業継承がどのように解決されていくのか?も問われる年となると思います。
我々の状況としては、さらに実直に進むべき年でもあります。
飯塚さんは、今のマイペースで取り組んでいるうちに、教育とか大学から講師だけでなく、准教授とかでお呼びがかかるかもしれませんよ。
私の方は、本年は変化の少ない年でしたね。街造りや医療機関のコンサルは、いろんな所に行きました。取り立て成果も出せない年でしたが、建築家の仲間が凄く増えた…という感じです。
昨年、飯塚さんにも言われた「小説書け」は、実行出来なかったので、2019年に持送りですね。
あと、俺の飲み会は運がよくなる神会、というのはマジっぽくなってきてる、そんな1年でした。
以上、それでは良いお年をお迎えくださいませ。

森山

構法スタジオ2018中間提出

2011年に始まった構法スタジオは今回で8年目。今年度は2019年1月中旬に本提出となりますが、11月に撮影した中間提出、ブログにアップしてなかったので簡単にご紹介します。


勝野さん。インドネシアの民家形状をサンティアゴ・カラトラバが作ったみたいな案。面はHPシェルになりますが、曲面なりに剛性を出すのが大変だから、受材+合板で真壁的に登梁の間をつないで剛性を確保、仕上げは薄めの合板、屋根は横葺き系で、曲面に馴染ませます。

何凡(カボン)君。長谷川豪さんの建築を参考にまとめました。ストレストスキンパネル的な構造体で、リビング中央は無柱空間にします。今どきの学生らしく、3次元BIMソフトrevitを使って検討してます。


河上さん。手塚さんの十日町の建築などを参考にした案。登梁はシングル、ダブルを組み合わせて、重なり部をボルトで縫う仕様です。屋根の間から光が射す美しい案です。妻側のデザインをどうするかで形の見え方が変わってきそうですね。


葛木さん。3角形繰り返し系のシンプルな架構なんですが、実際どう組むかを考えるとなかなか難しいです。木ずり状斜材を柱梁に斜めに打ち付けることで面剛性を出す形で考えています。


伊藤君。嘴型にとんがった大屋根住宅です。嘴の先端に近い登梁は片持ち梁にならないので方杖で支えています。また下り棟直下の隅木は大スパンとなるので、張弦梁としています。


工藤君。樹木状の屋根架構と地形に合わせた床が特徴の住宅です。樹木状の構造体の仕口は、在来ほぞ+Dボルトなどで解く予定です。構造体を綺麗に見せるためどういう風に光を取り入れるかが課題です。


アルファヴィルさんの高野山の建築を参考に、柱が林立する形でまとめたんですが、プランとの整合性が取りにくいので、一部柱をやめる形にまとめる予定です。軒を極端に下げて、ハイサイドライトから光を取り込みます。


川口君。コールハースのエデュカトリウムのような一筆書き系のかたちでまとめました。形と構造の整合性を取るために、形状を整理することになっています。やりたいことが多すぎてなかなかまとまりませんでした。


小林(奏)君。大開口側にゆるい片流れとなった住宅です。外部テラス平面は楔形で、軒が深くなるにつれ、高さも高くなっています。外部列柱は60φくらいの鉄骨で繊細に見せます。


加藤(雄)君。登梁の中間を方杖で支持し、サッシ上の桁以外はオール120角で架構をつくります。方杖の裏のハイサイドライトから採光します。結構大きいので外付けブライドなどがついてるといいかも。


小菅君。桁が勾配でかつ、勾配が10寸~15寸まで変化するHPシェル屋根です。ここでも屋根剛性を高める方法が問題となりますが、小菅君は登梁と小断面材2方向で、都合3方向に部材を重ね剛性を確保、通気も兼ねる方法を検討中です。


内藤君。折れ線屋根と中庭型を組み合わせた案です。登梁ですっきりと組んだ屋根架構になっています。


柏木君。この授業で入母屋やる人は意外と少なく、私のクラスでは8年やって初めてかも。母屋が等高線状にまわる和小屋形式で解きました。


小杉君。切妻の屋根を平行四辺形平面に吹き下ろす案です。平面は入れ子状になっています。


キム君。3角形平面の案。手前側の軒先高さが変化するところがナナかな面白いですね。近々韓国帰らなきゃいけないようで、一足先の提出になるけど、間に合うでしょうか。


藤原君。回廊型の建築。最初はスケッチアップで検討してて、もっとごちゃごちゃしてたんですが、模型は結構スッキリしてます。


黒川君。2つの切妻型を、平屋がつなぐ案。右のブロックは一階がピロティになっていて、中庭と外がつながっています。


小林(起)君。一階はほとんどが土間。2階はスキップしていて、3階はハイサイドライトのある構成です。


鍛冶屋君。上記小林君と似てますが、2階の中央が吹き抜け、一部に小上がりがある構成。


葛田君。この後、勾配屋根を乗っけました。間に合うかな?
提出は1月16日午後(市谷田町校舎)の予定です。

エコハウス大賞公開審査レポート

エコハウス大賞のHP内に、i+i設計事務所、オーガニックスタジオ新潟がグランプリを獲得した、公開審査の詳細レポートがアップされました。読むだけでその場にいたんじゃないかと錯覚してしまうくらいの臨場感あふれる素晴らしいレポートです。

「エコハウスを技術性能だけで見た場合、どうしても私たちがテーマにした中間領域や風土性は枠の外に考えられる。しかし、それをあえて尊重することで古い民家が持っているような数値にあらわれない魅力や価値を建物のなかにあらわせた」という、私がプレゼンで一番伝えたかった部分は、省略なしでそのまま書いて頂きました。

三澤先生「天井の杉板にトップライトからの光がたくさん集まるので、まろやかな空間ができていて素敵・・・」、前先生「最優秀賞の「グランドピアノのある家」は、性能、意匠を含めてあらゆる意味で完璧に近いものでした。・・・」、
松尾先生「最優秀賞の「グランドピアノのある家」は、一般的な敷地を読み解き方からかけ離れて、あえて今まで見たことのない空間に、しかも高いレベルで解いたことに価値を感じました。・・・」、などなど、ほとんどの審査員の先生方に高い評価いただけたことがわかります。

飯塚のグダグダの優勝コメントも3割増しでうまくまとめていただいてます、笑。ぜひご覧いただければと思います。


大賞受賞の記念写真。左から、松尾審査委員、前審査員、飯塚、相模さん、三澤審査員、西方審査員、伊礼審査委員長です。

2018日本エコハウス大賞受賞


おかげさまで、オガスタコラボ第二弾=新潟K邸=グランドピアノのある家、2018年日本エコハウス大賞(新築部門最優秀賞)受賞しました。Kさんおめでとうございます。写真は左から、飯塚、オガスタ相模社長、監督の小林秀さんです。
パワポ資料、会場にいらっしゃれなかった皆様用に下記に全文公開しますのでご覧ください。



私たちアイプラスアイ、オガスタのチームは、内部と外部のあいだの空間、いわゆる中間領域をテーマにして設計しました。


敷地は西側に水路が流れる、新潟市内の整形地です。お施主さんの要望は、リビングにグランドピアノを置ける暖かい家というシンプルなものでした。


ピアノ置くので一階平面は5間四方とやや大きめに設定しましたが、階高・軒高を極端に低くした大屋根の構成を採用し、外皮面積を総2階並の水準におさえました。さらに外皮面積を節約して中間領域を生み出しました。


外観は新潟の風土を強く意識しました。大屋根の勾配はしっかりとり、家の四方に軒を出しました。落雪を気にせず家に出入りできるよう屋根は妻入りに。敷地西側にある水路に自然に大部分の雪が落ちるように、屋根は非対称な切妻を採用しました。新潟の古い民家に習って、外壁は杉にしました。


家の南北中間領域は取って付けた感が出ないようボリュームをえぐってつくりました。こちらの南の中間領域は、高い位置に屋根をかけ、奥行きをたっぷり取りながらも、冬季の日射を遮らないようにしています。


東西北の窓を最小限にするかわりに、南はたくさんの窓を配置しています。窓の決定に際しては、スケッチアップを使ってシミュレーションを行い、隣家の影ができにくい東寄りに窓を集中させ日射取得を増やしています。また夏場の対策として庇を出した上で、窓は引違にし、すだれをぶら下げやすいようにしています。


1階南面はステンレスのブレースを使って端から端まですべて窓にし、2階は光を天井面に反射させて明るい室内を実現しました。中間領域のデッキとフラットになるベンチの下には床下エアコンが設置されています。


平面です。ピアノ上部の吹抜けで室内をほぼワンルームにしてます。さらに端から端まで見通せる抜けや、行き止まりのない回遊動線を確保することで、広がりを演出しています。


矩計図です。断熱は壁210mm屋根310mmでUA値は0.28、Q値は0.96です。垂木は特殊な金物で火打ちや厚物合板を使わずに1.34倍の倍率を出し、耐震等級2を実現しました。


ワンルームになっているので、どこからでもピアノが眺められます。天井最頂部にはトップライトを設置しました。教会のような象徴的な光で上昇感を出しています。またこれは夏の熱気抜きにもなっています。


すのこ状の勾配天井は、音の拡散と吸音を狙ったものです。きちんと吸音させるため、防湿層は断熱材の厚み1:2の位置に入れました。


黒いピアノはインテリアで非常に目立ちます。それを緩和するようシークエンスの要所に暗色を配し、リズムをつくっています。


南の庭はグランドピアノの線形を持った園路が特徴です。


ホームズくんを使って室温の動的シミュレーションも行っています。これはリビングの室温変動ですが、床下と吹き抜けの2台のエアコンで、20度から28度をキープできています。またその時の冷暖房費は一年で28500円程度となりました。


最後にまとめですが、エコハウスを技術・性能の側面から見ると、私たちがテーマにした中間領域、風土性といったキーワードは、枠の外にはみ出してしまうんですが、今回、あえて、そのはみ出した色々なものに注目することで、新潟の古民家が持っているような魅力・価値を家に付与することができたんじゃないかと思います。

「グランドピアノのある家」日本エコハウス大賞 大賞候補ノミネート

i+i設計事務所とオガスタ新潟とのコラボ、新潟市中野山K邸=「グランドピアノのある家」が、日本エコハウス大賞の大賞候補4点のうちの一つに選ばれました。


K邸はレーモンドのカニングハム邸のような断面をした住宅です。
UA値は0.28。HEAT20だと新潟のG2は0.34だから、それを上回る性能です(数字が小さいほど高性能)。サッシは基本APW430ダブルLOWEトリプルガラス、南の引違はAPW330LOWE複層ガラス、壁は全方位断熱付き。天井断熱は高性能グラスウールとウッドファイバー100㎜の組み合わせ。防湿層は両者の中間に入っており、すのこ天井の裏のウッドファイバーは吸音材としても機能。音の響き過ぎを防止します。


エコ住宅というものは、表面積を小さく抑えるため、箱型の単純なフォルムになりがちなんですが、内と外のあいだに「間」をとること=中間領域をつくることは魅力的な『建築』の絶対条件。2階の屋根をふき下ろした形で表面積を節約、その一部を凹ませ、幅の広い大階段を設けることで、たっぷりと奥行きのある中間領域をつくりだしています。窓のすぐ上に深い軒を出すと冬期日射は減りますが、この部分の屋根は高いところにあるので、冬期の日射も問題なしです。

最終のプレゼンテーションと授賞式は11/20(火曜)14:30~16:50@東京ビッグサイトです。オガスタからは相模社長、管理建築士阿部さん、K邸担当小林秀監督東京入り予定。

なお、この公開プレゼンテーション+授賞式はジャパンホームショーの特設講演会のひとつ。https://www.jma.or.jp/homeshow/seminar/program.html
審査員の伊礼さん、西方さん、三澤さん、松尾さん、前さんの他に、堀部さんや森みわさんやもいらっしゃるという噂。こんな超豪華メンバーにも関わらず、定員はたったの70名。事前登録制のようですから、ご興味ある方は早めに登録し、ジャパンホームショーの入場券も入手した方がいいいかもです。