新年あけましておめでとうございます。現在も10数軒が設計施工中ですが、昨年は11軒の住宅が竣工しました。軽く振り返りたいと思います。
三重の津では、森大コラボのパッシブハウス(申請中)が竣工しました。方位の触れたこの敷地で、総二階のボリュームは町並みになじまないので、軒の低い大屋根というパッシブハウスにしにくい形を取りながら、パッシブハウスプラス基準に合致させました。外構は荻野寿也さんです。
エコハウス大賞にも応募。5人の審査員のうち4名に点を入れていただき入選10作の一つとして本戦に残ったんですが、エコハウス分野では目新しい賃貸系の住宅などに票が流れ賞は取れませんでした。でも、この家は賞に関係なく、超高性能住宅を「建築」としてきちんと設計できた実感があり、これからの建築の主題となる「環境」がしっかりデザインできており、日本の古民家のような古き良き時代の魅力的な建築とも繋がりをもたせることができたということで、設計者としては大変満足しています。
森社長が九州の工務店ウィズホームに撮ってもらった動画もありますので、ぜひ御覧ください。
昨年は同時期に森大コラボで上記の家から徒歩圏にもう一軒パッシブハウス設計してます。こちらは高さが出ても一向に困らない日当たりの良い北斜面だったので、素直に南側に窓の多い総二階で計画しました。伊勢神宮の別宮、荒祭宮のような木々の間に立つ建築をイメージしています。
この家も動画取っていただきました。ぜひご覧ください。ちなみに2階の外壁は屋久島の地杉を使っています。
一方、東京では東京ゼロエミ住宅水準3の準耐火建築、渋谷U邸が竣工しました。マンションの駐車場を借景するように配置したトンネル型の空間を持った切妻屋根の住宅です。外構は小林賢二さんです。
東京ゼロエミの先進事例ということで、ホームズ君のインテグラル主催でセミナーも開催されました。現在弊社の東京案件では大きな助成金の得られるゼロエミ住宅が当たり前になり、設計中の立川、品川、三鷹、葛飾、瑞穂の5案件でゼロエミ水準3を目指しています。東京でも付加断熱付き、一種換気の住宅が当たり前になりつつあります。
神奈川や東京北部の住宅はおなじみの青木工務店に施工いただき、昨年はなんと青木さん施工案件が5軒竣工してます。2月に竣工した金沢区I邸はオーソドックスなプロトタイプ住宅です。日当たりの良い敷地条件を生かしたお宅になっています。
上階を半間オーバーハングさせた外観です。基本、定番の掃き出し窓、腰壁、腰窓の3層構成なんですが、バルコニーで表情をつけています。内部は白主体の飽きのこないシンプルなインテリアです。ダイニングテーブルも製作しました。
青木さん2軒目は品川の家でした。差し掛けの屋根形状はファサードになりにくいので、袖壁を立てて折れ線屋根のように表現しました。準耐火建築ですが外壁に杉板を張っています。
マンションや3階建ての家に囲まれて日照条件が良くないので、ハイサイドライトから吹き抜けに光を落とし、家中を明るくしています。インテリアはナチュラル系です。床はバーチ。天井はツガとなっています。
青木さん3軒目は藤沢の家です。ビルトインガレージの上に中間領域を持っています。意図的に細長くつくり、建物のどこからでも道路向かいの公園の緑を借景できるようになっています。
インテリアはチークの床、ツガの天井という木の色、珪藻土の壁の白、アクセント壁や柱の黒という3色使いです。
青木さん4軒目は妙蓮寺の家でした。家での仕事が多いご夫婦が楽しく暮らす終の棲家です。この家は旗竿敷地で日照条件が必ずしも良くないので、ハイサイドライトからも採光しました。
青木さん5軒目は葉山K邸です。ひな壇型構成の弊社では珍しい形状の家です。外壁は焼杉です。屋上は展望デッキになっています。これは堀部安樹さんにお願いした外構施工前の様子です。
内部は梁表しとなっており、左官の壁、チークの床という簡素ですが贅沢な仕様です。
家の中央部は吹き抜けており、ペントハウスの光に向かって、斜め上方に登って行く構成になっています。
名古屋春日井の工務店、参建のリノベモデルハウスもできました。増築を重ねてめちゃくちゃにかけられた屋根を整理し、かたちをきちんと整えたので、外から見るとリフォームには見えないかもしれません。
内部は古い梁を焦げ茶色で表現、古材が明るい色調のインテリアを引き締める役割をしています。床はあずみのの松、天井はツガの羽目板です。
大久保麻基さんの原案に基づいて弊社で設計した八ヶ岳の家も竣工しました。外観は赤い目板張りの杉板外壁です。
道路側はシンメトリーの切妻でまとめました。非常にシンプルで美しい住宅に仕上がりました。
天井際上方から光を採るという、大久保さんがよくやっていた的な光の取り入れ方をイメージしながら設計した部分です。
そして最後は12月にお引渡しになったオガスタ新潟コラボ「京王のレジデンス」です。
豪邸というとコンクリート打ち放しで石貼ってシャンデリアぶら下げるなんていう印象がありますね。毎日パーティやってるのかな?という家。この家は間口5間、奥行き7.5間の大邸宅ですが、内も外も木に包まれた温かい邸宅で、誰もが住みたいと思えるようなつくりになっています。
敷地は54坪と建物規模の割には広くありません。建ぺい率60%(許容32坪くらい)をクリアするために屋根のない中庭を設けています。
2階ハイサイドライトからはリビングに光が降り注ぎます。のじもくさんの小幅板風羽目板は目地を揃えて張りました。キッチンはタニコー作のオールステンレスキッチンです。