飯能K邸付属棟 電気打ち合わせ

飯能K邸は 屋根の施工が完了。 モイスが張られ、樹脂サッシAPW330が付き、空間の骨格が見えてきました。小畑棟梁の今日の作業は基礎断熱材取り付け(スタイロ3種B100mm)、我々は電気や仕上げの打ち合わせでした。
床や枠は原設計通り上小杉材のママ。天井は杉材の源平や節がちょっと気になったので、オガスタ新潟がよく使うツガの羽目板に変更しました。電気は細々といろいろ変更。離隔が取れず小屋裏にパワーコンディショナーを置くのが無理そうだったので、外設置することになりました。
足場があって見にくいですが、天井面が明るいです。これはトップライトの効果。

上に上がってみると、700角のトップライトが驚くほど効いていることがわかります。これだけでLDKの照明が不要になるくらいの感じです。たぶんいつものうちの仕様は窓が多すぎで、トップライトの効果を感じにくいんでしょうね。

屋根の確認で足場に上ってみました。主屋は瓦棒、付属棟はたてハゼです。屋根の谷間の先には絶景が広がります。

「伊賀の家」窓まわりのおさまり

「伊賀の家」は今年のはじめに無事竣工。先日、エコハウス・アワード2019の意匠賞を受賞しました。 現在ドイツ・パッシブハウスの認定申請中です。
この基準に適合させるには、屋根壁共付加断熱、トリプルガラスサッシで高断熱化、第一種の熱交換換気扇を設け、南面の日射を有効に取り入れることで、年間暖房負荷を15KW/㎡a以下に抑えることが必要です。また、そのために0.2cm2/m2以下程度の高い気密性能が求められます。 今回の工事で最も苦労したのは、気密工事と窓まわりの納まりです。

窓まわりは止水工事、気密工事の要となるので、慎重な施工が求められますが、 今回はそれを更に難しくする「外壁からサッシを凹ませてつけるおさまり」(熱橋を減らすことができます)に挑戦しました。作業工程もかなり複雑なんですが、この納まり、どうやってつくるかを示す教科書が存在しません。いきなり現場で試すのは流石に無理があるので、森社長と一緒に作る家が全部パッシブハウスという高橋建築高橋さんの現場をまず見学、そして 技術に明るい設計者仲間の高本さんや、オガスタ新潟の小林監督などにも相談しつつ、上記のようなマニュアルを作成、

森大建地産の大工さん全員参加で、実物大のモックアップを作成しました。大工さんたちは初めての作業でも、あっという間に改善策を思いつきますから、それをマニュアルにもう一度反映して現場に臨み、困難な窓納まりを無事納めることができました。

この案件は長期優良住宅で、耐震等級をとるために「ホームズ君」を使って計算しています。このときは 森大建地産から専門の会社にホームズ君の入力→申請を外注しましたが、その後のいろいろいじりまわしているうちに、品確法の耐震等級3や許容応力度計算を、同ソフトでできるようになりました(ちなみに、池尻の3階建ては、外注せずに飯塚が自ら構造計算書作成しました。)。同様に、「ホームズ君」は温熱機能の方も使いこなしつつあります。

高性能住宅は設計(計算)も施工も大変なので、意匠系の設計事務所・工務店には嫌われますが、アイプラスアイは、こんな風に意匠も性能も両方取りできるので、これからご依頼いただく方は、この家のような超高性能が当たり前になる時代を見越して、意匠性能両方を頑張る家にして頂ければと思います。

また、三重県伊賀市、 津市、松阪市、鈴鹿市、亀山市、四日市市、名張市 などにお住いの皆様は、ぜひ森大建地産にご依頼ください。アイプラスアイで設計のお手伝いも可能です。

学芸大学H邸 電気打ち合わせ

今日は学芸大学H邸へ。お施主Hさん夫妻と電気打ち合わせでした。熊澤の遺産図面を元に、引き込み位置、分電盤、コンセント、スイッチ、リモコン、照明、換気扇、エアコン、などすべて一個一個位置を確認。その他、フローリングの種類、張り方向、キッチン・レンジフードの機種など懸案を整理して、打ち合わせは無事終了。

2階の北側部分です。 中央ののフレームはトイレ、手前がキッチンとなります。 南北に抜けをつくるため、北側にも掃き出し窓を設けています。隣家との距離はあるので明るさは十分。 キッチンは北の一番奥にありますが、トップライトと北側の窓で十分明るいです。 高度斜線がかかるので、北側方向、西側方向が異なる勾配の屋根となっています。

北側の窓前から南を向いた景色です。うなぎの寝床の端から端まで見通せる、「抜け」が作られています。見通しを阻害しないよう、短辺方向の耐力壁はすべてステンレスのブレースで確保します。屋根は外断熱。今回の屋根フレームは120角で骨太です。

階段室の上部にはトップライトを設けました。スケルトン階段の間から光を落とします。この住宅は2枚歯の構造金物を積極的に使っています。

準防火地域なので、サッシはAPW330の防火サッシです。引違いの掃出し窓は、シャッターのないタイプもAPW331のラインナップにはありますが信じられないほど高価なので、掃出し窓はすべてシャッター付きにしました。シャッター付きサッシは搬入時にはシャッター本体も蓋もついていないんで、本体と蓋が後設置できるよう、天井まわりの寸法は注意が必要です。また、シャッターを袖壁などに寄せすぎるとコーキングが打てないので、袖壁などと一定の離隔を確保することが必要です(カタログの非常にわかりにくいところに書いてあります)。

指さしてるところをへこませ、外部用シェードつけて、外からの目隠し代わりにすることも決定。

今回の秘密兵器、パネリードX。全ねじで大変パワフル。ビットもついてました。100本!あるので、仕口がうまくつくれない池尻A邸の異勾配屋根の隅木でも使おうと思います。

「新米建築士の教科書」4回目の増刷

2017年3月に発売された拙著「新米建築士の教科書」ですが、発売から2年経ってもじわじわと売れ続けてるようで4回目の増刷が決まりました。購入頂いた皆様ありがとうございます。今回で5刷、累計発行部数17000部となります。新人教育用として弊事務所でも活用中です。引き続きよろしくお願いいたします。

2018年末の紀伊国屋書店新宿本店レジ前、「2018年建築書売上ベスト30」のコーナー



オガスタコラボ新潟T邸「住まいnet新潟」vol.27に掲載

オガスタコラボ第一弾、新潟T邸が「住まいnet新潟」vol.27に掲載されました。スーモ除くとアイプラスアイ初の地方建築誌の掲載でしょうか。新潟エリアにお住いの皆様、ぜひご覧ください。

遠方のため、私に対する取材はメールでした。住まいネット新潟、伊藤さんから下記のようなご連絡を頂いたので

・Tさんからは、「構造体を見たい」というリクエストをしたと聞きました。また、ロケーションは公園に面した眺めのいい場所です。リクエストや敷地を前提に、今回の設計では何をポイントにしましたか? 大切にした点、それを表現するために行った設計上の工夫、などをお聞かせください。また、東京の都市部の狭小住宅の設計に比べ、やりやすかった点、可能性を出せた点などもお聞かせください。

・今回、「現代のモダニズム」というタイトルで特集を組んでいます。T邸における「モダニズム」は、どんなところにありますか?(取材でうかがった印象では、スキップフロアで無駄なく空間を利用した間取り、角やラインをつなげて(窓枠と構造が合うようにしていたり、天突きになっていたり)無駄な線を生まないようにしているところなどに見えました)

・取材時、Tさんと話したところ、「無駄のない温熱環境」もモダニズム的な機能と呼べるのではないか、と。オーガニックスタジオ とのコラボレーションということも踏まえ、温熱環境について飯塚さんなりにどんな挑戦をしたのか、また、そこにモダニズム的な側面があればお願いします。

大昔に読んだ原広司さんの文章を参考に、下記のような大上段に構えたお返事をしまして、それが誌面に反映されております、笑。

それは、また随分と大胆な特集ですね、笑。モダニズム建築は、大きく3つの側面があると言われております。3つとは下記のものです。

「1.機能主義・合理主義」=これはわかりやすいから、説明不要ですね。
「2.ユニバーサルスペース(均質空間)」=超高層ビルをはじめ、オフィスビルの原型になっています。
「3.インターナショナルスタイル(国際様式)」=地域の枠を超えて世界中どこでも同じ表現を追求するもの

構造体を見せる、屋根を飛行機の羽根のようなモノコック構造でつくる、温熱環境を意匠と同じ水準で計画していくといったことは、「1.機能主義・合理主義」の延長線上にあると考えていいと思います。降雪寒冷地にふさわしいの屋根の形も、合理主義ということから説明は可能かと思います。

ですが、スキップフロアや土間といったものは、均質性を打ち破る多様な空間づくりをするための手法ですから「2.ユニバーサルスペース(均質空間)」と反対の概念ですね。そういった意味では反モダニズム的手法と言えます。T邸の設計においては、単純な切妻のフォルムの中にいかに多様な「場」をつくるかを考えました。

また、T邸はいかに新潟らしい建築とするか、いかにこの敷地らしい建築とするかということを考え設計しています。これは、普通は「リージョナリズム」とか言われているもので、「3.インターナショナルスタイル(国際様式)」とは反対の方向を向いています。(とはいえ、モダニズムの最も有名な手法、「ピロティ」は採用してますけどね。)

設計において一番大事にしたことは、やはりこのリージョナリズムです。落雪の危険を避けるため屋根は妻入の切妻とし、地域の伝統的な4寸勾配を採用、外壁も古い新潟の民家に見られる木外壁としています。インテリアでは、新潟のどんよりとした冬の空を意識して、両妻面に煉瓦色を採用、冬の限られた光を拡散させるべく2階の天井板は白く塗装しています。
敷地単位で見れば、公園に面する立地を意識、建物の端から端まで見通せる抜けを確保しながら、公園にさらに視線を抜いて、広がりをつくっています。

これからの新潟の建築を考えるなら、このリージョナリズムの視点は絶対に外せないだろうと思っています。

こんな返信でいいでしょうか。よろしくお願いいたします。