工務店設計塾 第2回

2020年12月工務店設計塾第二回無事終了。

今回の座学のテーマは「形態と窓」、ついでに私の方からは中間領域の話をして、鈴木先生には田の字平面の設計手法のお話をしていただきました。
前回の演習課題は厳し目で皆さんストレス溜まったような気がしたので、今回はどーんと15m角の南東の角地に立つデザイナーの家ということにしてみました。周囲から見られる角地で、施主からも周囲の家とは一風違う家を求められているという設定です。また、広い敷地を楽しめる6坪程度の中間領域を設ける条件もついています。

相羽建設 中村さん。伊礼智さんや小泉誠さんのモデルハウスを持つスーパー工務店勤務の、中村さんは、相羽スタイルを完全にマスターしていることは1っ回目の課題でわかったので、会社のスタイルと異なったものを設計するということを毎度課題させて頂いてます。今回の中村さんの案は広い敷地を生かした、4つの庭のある平屋コートハウスの提案でした。4つの庭にこだわりすぎて、南西角がちょっと窮屈な感じがしますが、南東の屋根が抜けたコート部分は非常に楽しそうにできていますし、立面も格好良くまとまっています。短時間でいつもやってることと全く違う案をうまくまとめあげたということで、飯塚賞とさせていただきました。

リボーン 塩原さん。堀部さんの鎌倉山の集会所を彷彿させる、軒の低い平屋の提案です。角を45度に落とした八角形の平面とするという独自の方法で角部分に中間領域をつくり出しました。座学のレクチャーで説明した通りの、水平性を強調する軒の低い平屋のフォルム、は実際このまま作っても格好良くまとまるはず。中央にあえて収納を設けるのは、光の取り込み方としては面白いけど、広がり感がいまいちなので、収納は普通に周りの部屋に分散したほうがいいのかなとは思います。トータルなバランスの良さが評価され鈴木賞を受賞されました。

鈴木建築 伊藤さん。非常に完成度の高い提案です。角地ということで、南東に向かうL型の平面とし、全体を平屋と2階の組み合わせで解いた案です。池辺陽さんの石津邸のように西側に細長くでた腕に沿って、室内まで庭の景色を引き込むような計画になっています。塀を回したことで角地を捨てちゃってるように見えるところが残念なところ。バラガンやミースのみたいに隙間を開けながら壁を回せは、庭をもっとおおらかに取り込む事もできたかもしれません。

オーパススタイル寺内さん。急勾配の象徴的な大屋根で角地の風景を作る提案です。屋根から覗く窓の表情などは、とても独特な面白い表情をつくっています。寺内さんは、部分に楽しげなストーリー、エピソードを盛り込むことが非常にお上手なんですが、部分から全体へという設計スタイルなんで、今回は屋根が3ブロックに別れてしまいました。計画もややこじんまりしてしまっているので、方形の大屋根ではなく、寄棟の大屋根にしてまとめれば、とても面白い提案になったんじゃないかと思います。

アシストプラスアルファ武部さん。片流れ屋根総二階の四周に下屋を回した住宅です。南に寄せた配置はちょっと変なので、北寄せ配置が自然です。あと、比較的急勾配の下屋を回した形なんで、2階建て部分はやはり急勾配の寄棟にしたほうが、形態的なまとまりが出るような気がします。せっかく四周を下屋が回る構成なのだから、玄関部分もちゃんと下屋を回したほうが良かったと思います。下屋空間が楽しそうにできてるだけに、いろいろ惜しい感じがしました。

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