飯能K邸付属棟 電気打ち合わせ

飯能K邸は 屋根の施工が完了。 モイスが張られ、樹脂サッシAPW330が付き、空間の骨格が見えてきました。小畑棟梁の今日の作業は基礎断熱材取り付け(スタイロ3種B100mm)、我々は電気や仕上げの打ち合わせでした。
床や枠は原設計通り上小杉材のママ。天井は杉材の源平や節がちょっと気になったので、オガスタ新潟がよく使うツガの羽目板に変更しました。電気は細々といろいろ変更。離隔が取れず小屋裏にパワーコンディショナーを置くのが無理そうだったので、外設置することになりました。
足場があって見にくいですが、天井面が明るいです。これはトップライトの効果。

上に上がってみると、700角のトップライトが驚くほど効いていることがわかります。これだけでLDKの照明が不要になるくらいの感じです。たぶんいつものうちの仕様は窓が多すぎで、トップライトの効果を感じにくいんでしょうね。

屋根の確認で足場に上ってみました。主屋は瓦棒、付属棟はたてハゼです。屋根の谷間の先には絶景が広がります。

「伊賀の家」窓まわりのおさまり

「伊賀の家」は今年のはじめに無事竣工。先日、エコハウス・アワード2019の意匠賞を受賞しました。 現在ドイツ・パッシブハウスの認定申請中です。
この基準に適合させるには、屋根壁共付加断熱、トリプルガラスサッシで高断熱化、第一種の熱交換換気扇を設け、南面の日射を有効に取り入れることで、年間暖房負荷を15KW/㎡a以下に抑えることが必要です。また、そのために0.2cm2/m2以下程度の高い気密性能が求められます。 今回の工事で最も苦労したのは、気密工事と窓まわりの納まりです。

窓まわりは止水工事、気密工事の要となるので、慎重な施工が求められますが、 今回はそれを更に難しくする「外壁からサッシを凹ませてつけるおさまり」(熱橋を減らすことができます)に挑戦しました。作業工程もかなり複雑なんですが、この納まり、どうやってつくるかを示す教科書が存在しません。いきなり現場で試すのは流石に無理があるので、森社長と一緒に作る家が全部パッシブハウスという高橋建築高橋さんの現場をまず見学、そして 技術に明るい設計者仲間の高本さんや、オガスタ新潟の小林監督などにも相談しつつ、上記のようなマニュアルを作成、

森大建地産の大工さん全員参加で、実物大のモックアップを作成しました。大工さんたちは初めての作業でも、あっという間に改善策を思いつきますから、それをマニュアルにもう一度反映して現場に臨み、困難な窓納まりを無事納めることができました。

この案件は長期優良住宅で、耐震等級をとるために「ホームズ君」を使って計算しています。このときは 森大建地産から専門の会社にホームズ君の入力→申請を外注しましたが、その後のいろいろいじりまわしているうちに、品確法の耐震等級3や許容応力度計算を、同ソフトでできるようになりました(ちなみに、池尻の3階建ては、外注せずに飯塚が自ら構造計算書作成しました。)。同様に、「ホームズ君」は温熱機能の方も使いこなしつつあります。

高性能住宅は設計(計算)も施工も大変なので、意匠系の設計事務所・工務店には嫌われますが、アイプラスアイは、こんな風に意匠も性能も両方取りできるので、これからご依頼いただく方は、この家のような超高性能が当たり前になる時代を見越して、意匠性能両方を頑張る家にして頂ければと思います。

また、三重県伊賀市、 津市、松阪市、鈴鹿市、亀山市、四日市市、名張市 などにお住いの皆様は、ぜひ森大建地産にご依頼ください。アイプラスアイで設計のお手伝いも可能です。

学芸大学H邸 電気打ち合わせ

今日は学芸大学H邸へ。お施主Hさん夫妻と電気打ち合わせでした。熊澤の遺産図面を元に、引き込み位置、分電盤、コンセント、スイッチ、リモコン、照明、換気扇、エアコン、などすべて一個一個位置を確認。その他、フローリングの種類、張り方向、キッチン・レンジフードの機種など懸案を整理して、打ち合わせは無事終了。

2階の北側部分です。 中央ののフレームはトイレ、手前がキッチンとなります。 南北に抜けをつくるため、北側にも掃き出し窓を設けています。隣家との距離はあるので明るさは十分。 キッチンは北の一番奥にありますが、トップライトと北側の窓で十分明るいです。 高度斜線がかかるので、北側方向、西側方向が異なる勾配の屋根となっています。

北側の窓前から南を向いた景色です。うなぎの寝床の端から端まで見通せる、「抜け」が作られています。見通しを阻害しないよう、短辺方向の耐力壁はすべてステンレスのブレースで確保します。屋根は外断熱。今回の屋根フレームは120角で骨太です。

階段室の上部にはトップライトを設けました。スケルトン階段の間から光を落とします。この住宅は2枚歯の構造金物を積極的に使っています。

準防火地域なので、サッシはAPW330の防火サッシです。引違いの掃出し窓は、シャッターのないタイプもAPW331のラインナップにはありますが信じられないほど高価なので、掃出し窓はすべてシャッター付きにしました。シャッター付きサッシは搬入時にはシャッター本体も蓋もついていないんで、本体と蓋が後設置できるよう、天井まわりの寸法は注意が必要です。また、シャッターを袖壁などに寄せすぎるとコーキングが打てないので、袖壁などと一定の離隔を確保することが必要です(カタログの非常にわかりにくいところに書いてあります)。

指さしてるところをへこませ、外部用シェードつけて、外からの目隠し代わりにすることも決定。

今回の秘密兵器、パネリードX。全ねじで大変パワフル。ビットもついてました。100本!あるので、仕口がうまくつくれない池尻A邸の異勾配屋根の隅木でも使おうと思います。

「新米建築士の教科書」4回目の増刷

2017年3月に発売された拙著「新米建築士の教科書」ですが、発売から2年経ってもじわじわと売れ続けてるようで4回目の増刷が決まりました。購入頂いた皆様ありがとうございます。今回で5刷、累計発行部数17000部となります。新人教育用として弊事務所でも活用中です。引き続きよろしくお願いいたします。

2018年末の紀伊国屋書店新宿本店レジ前、「2018年建築書売上ベスト30」のコーナー



オガスタコラボ新潟T邸「住まいnet新潟」vol.27に掲載

オガスタコラボ第一弾、新潟T邸が「住まいnet新潟」vol.27に掲載されました。スーモ除くとアイプラスアイ初の地方建築誌の掲載でしょうか。新潟エリアにお住いの皆様、ぜひご覧ください。

遠方のため、私に対する取材はメールでした。住まいネット新潟、伊藤さんから下記のようなご連絡を頂いたので

・Tさんからは、「構造体を見たい」というリクエストをしたと聞きました。また、ロケーションは公園に面した眺めのいい場所です。リクエストや敷地を前提に、今回の設計では何をポイントにしましたか? 大切にした点、それを表現するために行った設計上の工夫、などをお聞かせください。また、東京の都市部の狭小住宅の設計に比べ、やりやすかった点、可能性を出せた点などもお聞かせください。

・今回、「現代のモダニズム」というタイトルで特集を組んでいます。T邸における「モダニズム」は、どんなところにありますか?(取材でうかがった印象では、スキップフロアで無駄なく空間を利用した間取り、角やラインをつなげて(窓枠と構造が合うようにしていたり、天突きになっていたり)無駄な線を生まないようにしているところなどに見えました)

・取材時、Tさんと話したところ、「無駄のない温熱環境」もモダニズム的な機能と呼べるのではないか、と。オーガニックスタジオ とのコラボレーションということも踏まえ、温熱環境について飯塚さんなりにどんな挑戦をしたのか、また、そこにモダニズム的な側面があればお願いします。

大昔に読んだ原広司さんの文章を参考に、下記のような大上段に構えたお返事をしまして、それが誌面に反映されております、笑。

それは、また随分と大胆な特集ですね、笑。モダニズム建築は、大きく3つの側面があると言われております。3つとは下記のものです。

「1.機能主義・合理主義」=これはわかりやすいから、説明不要ですね。
「2.ユニバーサルスペース(均質空間)」=超高層ビルをはじめ、オフィスビルの原型になっています。
「3.インターナショナルスタイル(国際様式)」=地域の枠を超えて世界中どこでも同じ表現を追求するもの

構造体を見せる、屋根を飛行機の羽根のようなモノコック構造でつくる、温熱環境を意匠と同じ水準で計画していくといったことは、「1.機能主義・合理主義」の延長線上にあると考えていいと思います。降雪寒冷地にふさわしいの屋根の形も、合理主義ということから説明は可能かと思います。

ですが、スキップフロアや土間といったものは、均質性を打ち破る多様な空間づくりをするための手法ですから「2.ユニバーサルスペース(均質空間)」と反対の概念ですね。そういった意味では反モダニズム的手法と言えます。T邸の設計においては、単純な切妻のフォルムの中にいかに多様な「場」をつくるかを考えました。

また、T邸はいかに新潟らしい建築とするか、いかにこの敷地らしい建築とするかということを考え設計しています。これは、普通は「リージョナリズム」とか言われているもので、「3.インターナショナルスタイル(国際様式)」とは反対の方向を向いています。(とはいえ、モダニズムの最も有名な手法、「ピロティ」は採用してますけどね。)

設計において一番大事にしたことは、やはりこのリージョナリズムです。落雪の危険を避けるため屋根は妻入の切妻とし、地域の伝統的な4寸勾配を採用、外壁も古い新潟の民家に見られる木外壁としています。インテリアでは、新潟のどんよりとした冬の空を意識して、両妻面に煉瓦色を採用、冬の限られた光を拡散させるべく2階の天井板は白く塗装しています。
敷地単位で見れば、公園に面する立地を意識、建物の端から端まで見通せる抜けを確保しながら、公園にさらに視線を抜いて、広がりをつくっています。

これからの新潟の建築を考えるなら、このリージョナリズムの視点は絶対に外せないだろうと思っています。

こんな返信でいいでしょうか。よろしくお願いいたします。

逗子S邸概要

逗子S邸、オープンハウスにお越しになれなかった方々に向けて、オープンハウス前後の時間に撮った写真をご紹介したいと思います。

S邸は山を背負う敷地に建つ5人家族の住まいです。敷地は東西に細長いので、オープンスペースの取れる見通しのいい東側を前庭としました。 屋根は切妻で北側通路沿いの立面はシンメトリーです。 平面は桁行4間、梁間4.5間、ほぼ正方形の総2階。
庭はありますが、眺めのいい2階をリビングにました。 家の角は適宜凹ませ、半外部空間を作っています。各階とも前庭側に積極的に開く構成です。サッシはサーモスXトリプルガラスでUA値は0.50です。

屋根中央には2.4mの高さがある巨大な嵌め殺し窓があります。窓の4周は木枠で強調しました。外観は焼きっぱなしの焼杉。塗装費が節約できるので意外とローコストですが、指で触れば黒くなります。2階のバルコニーはさすがにそれでは困るので、荒磨き仕様でキシラデコール塗装しています。

玄関ポーチも黒くなると困るので、杉板を目板張りをこげ茶色で塗装し、焼杉部分と分節、2階の浮遊感を強調してます。玄関照明はお施主Sさんがデンマークで買ってきたルイス・ポールセン。ドアハンドルは堀商店。照明同様、経年変化で味が出る仕様です。

玄関ホールです。 Sさんの1階に対するリクエストは「遺跡のような見通せない空間」。廊下を挟んだ2つのコアの両側が子供部屋になっています。といっても子供部屋は仕切りもあいまいな空間です。家族の成長に応じて、子供たちがスペースを適宜占拠していくという、やや過激なプラン。廊下の両脇には収納や階段のコアがあって、2つの回遊動線がつくられています。

石張りの玄関土間は、将来ご主人がお店をやるために広々取っています。その先にまだ空間がつながっているような奥行きのある空間です。壁や天井に光がうまく回るように窓は際に寄せています。 壁はすべて色付きのしっくい。少し大きめの骨材が入っていて、今回は横に引いて仕上げています。 壁際、基礎立ち上がりが出っ張ってるのは断熱のためです。

子供部屋です。欄間部が抜けていて完全に閉じてはいません。こういう曖昧なスペースをゲリラ的に占拠、適宜間仕切りながら使っていくというのが、子供部屋の基本コンセプトです。子供たちが巣立った後はお店として広々使うことができます。
床仕上げのメルバウ、色付きのしっくいにトーンを合わせるため、家具や枠類はウォールナット色で塗装しました。

脱衣室も欄間を開口にしています。ホテル式で左の奥はトイレになっています。洗濯機は階段下に追い出しましたので生活感はある程度おさえられています。

浴室もやはり欄間開口です。在来浴室で、天井はヒバ、壁はタイル、床は十和田石です。この家の中では唯一爽やか系の初々しい色合いになっています。

2階の中央が吹き抜けていて上階の光が落ちてきますから、1階中央が真っ暗になることはありません。

階段吹き抜けを2階から見たところです。吹き抜けの上部にはロフトがあり、奥がテラスになっています。吹き抜けに付く照明も施主支給品です。ウッツォンの弟子でルイジアナ美術館の設計者ヨルゲン・ボー(jørgen bo)のデザイン。

南側はアパートや立駐が迫るため窓が設けにくいので、テラス横の3方のハイサイドライトから積極的に採光する形になっています。テラス下は天井の低い落ち着いたスペース。2階は1階とは対照的にワンルームの広々した空間ですが、こんなふうに広さの違うたまりがそこかしこにできています。奥はスキップフロアで70cm床が上がっています。段差部は収納ですが、エアコンを仕込めるように一部ガラリ戸になっています。テレビはSさんあまり見ないので、小上がり側に置く予定です。

ダイニングからリビング方向を見たところです。地上2mくらいのところにある雁行する薄いスラブが間接照明になったり、ロフトになったりするのが特徴です。屋根は外断熱で、天井の構造体はあらわしです。垂木はべいまつで@303。前庭のある東側は、ステンレスのブレース材で間口いっぱい窓にしました。腰窓の下は本棚です。本棚の縦材はランダムに入っています。

リビングからダイニングを見たところです。切り妻中央の天井をフラットにしたのは中央にあるフィックス窓や、ハイサイドの上枠と付きあい、かつ垂木を一発でかけるためです。ピクチャーウインドウとなるフィックス窓の周りは太い枠で強調しました。窓の前には、エクステンションの大きなダイニングテーブルが置いてあります。

キッチンはⅡ型で、アイランドカウンターは片持構造。3方向から作業が可能です。ちょっとした朝食もここで済ませますね。アイランド天板はウォールナットの接ぎ板です。シンクは一応オーバーシンクにしてあります。

小上がりの部分です。奥の台形窓が効いてますね。小上がりに上がる階段下にエアコンが仕込んであります。エアコンにさわれるよう、階段は分割取り外し式です。右手はキッチンの並びで、冷蔵庫や電子レンジが納まります。

小上がりからロフト方向を見たところです。ロフトへの幅広の階段は、映画を見るときの観客席になります。階段下にはトイレが隠れています。右手の棚は、小上がりから吹き抜けに落ちないようにするための落下防止手すりを兼ねています。

夜も間接系の照明でいい雰囲気です。

以上でオープンハウス前後の暫定写真お披露目終了です。ここで紹介した写真はグーグルフォトのアルバムにまとまっています。照明、ブラインド、家具、雑貨が入った時点でまた、写真撮らせていただこうと思いますのでお楽しみに。

なお、オープンハウスには業界の方に多数来場いただき、いくつかのブログに取り上げて頂いているのでご紹介いたします。そちらもぜひ御覧ください。
家づくりの情報サイト ハウスベースプレス
雨の道をデザインする Yan’s diary

熊澤独立、脇屋入所


平成最後の3月末で番頭の熊澤(中央)独立です。入所6年半くらいで20軒の現場を担当しました。芸術学校時代から考えると8年くらいいたことになります。お施主の皆様大変お世話になりました。写真は事務所の送別会で大久保さん、小泉さん、西山さんからそれぞれ花束もらって満面の笑みの熊澤。


熊澤は書籍化検討中の建築知識2018年11月号の共著者でもあるので、先週は担当のエクスナレッジ湯浅さんも来所。


熊澤と交代で、4月から脇屋(写真左)が入所しました。脇屋は法政大学富永研出身、妻子ありの33歳。新宿の映画館、武蔵野館の内装設計やアパレルブランドの店舗設計なども経験したことがある一級建築士です。服は代官山方面で古着を買ったりするそう。今までアイプラスアイいなかったタイプなので、事務所に新しい息吹を吹き込んでくれることでしょう。
現在英才教育中、入所3日で上棟、配筋検査、コンクリート打設立会を経験、今、矩計図書いてます。「新米建築士の教科書」を片手に、木造もあっという間にマスターするはずです。

ちなみに、岨野は子供が小学生になり、少し時間の自由ができました。中屋もこの春、日本に帰ってきます。仕事が忙しくなったら、京都造形大の優秀な大学院生(堀部クラス→横内クラス)、高久くんも手伝いに来てくれることになっています。それに、熊澤に外注することも可能。
ということで、熊澤抜けますが、むしろ戦力はアップするということになるので、全国の建主様、工務店の皆様、仕事の大小にかかわらず、設計のご依頼大歓迎です。よろしくお願いいたします。

飯能K邸付属棟上棟


飯能K邸のお施主ご両親の住まい=付属棟上棟しました。腰折れ屋根の主屋と呼応する妻面強調の切妻型の平屋です。


主屋庭に対しては、平屋で軒が低いため、全く圧迫感がありません。


掃出し窓からは主屋の姿を望めます。自分の家族の家や孫の姿が見えるのは楽しいですね。


谷側の絶景は付属棟からも当然楽しめます。妻面はあえて腰窓にして開口を絞りました。


コストを抑えるために軸組はアイプラスアイでは珍しい母屋垂木の和小屋です。でも桁や棟木に垂木を固定する金物は専用のものを使い、床倍率を上げています。

学芸大学H邸上棟

学芸大学H邸上棟しました。


この家はいわゆるウナギの寝床系の細長い平面の住宅です。このようなケースでは・・・


ステンレスのブレースダブル使いで小口面を端から端まで窓にして、長手方向に視線を抜くのがアイプラスアイの定番手法です。


今回の山場は、勾配の異なる屋根の隅木部分。さらに難しくしたのは梁がすべて露出仕様なこと。正直、施工ができないんじゃないかと思ってたんですが、プレカット屋さんが頑張ってくれて、きちんと納まっています。


ここも異勾配の屋根がぶつかる部分があります。登梁が隅木の左右でずれてしまうほど勾配が違います。また、隅木頂部は、隅木と二本の登梁が取り合うので、納まりが非常に厄介です。スケッチアップで3次元検討して、プレカット屋さんと調整しました。


キッチン上部は吹き抜けています。トップライトもあるので、明るさは大丈夫なはずです。


今回の棟梁は下高井戸M邸、狛江W邸などやっていただいた千葉さんです(2階バルコニにいるのが千葉さん)。楽しんでいきましょう。

逗子S邸オープンハウスは今週末3/30

今週末土曜日3/30(10時から16時)はいよいよ、逗子S邸オープンハウスです。プロ受けするのか、予約される方が設計者・施工者ばっかりになりつつありますので、一般の方もぜひお越しくださいませ。
詳しいご案内はこちらです。
見どころをダイジェストでご紹介します。


東側の立面です。南側は生憎、立駐やアパートがあって開けないので、前庭のある東側中心に窓を設けています。庭はお施主工事でゆっくり時間をかけて整備する予定です。


妻側のシンボルとなる北側のフィクス窓です。木の四方枠で窓を強調してます。焼杉外壁は焼きっぱなしのもの。国産木材建材メーカー、木童さんのキラーアイテムで、アイプラスアイでは何度か採用してます。


向かって右手は8mの共用通路となるんですが、基本的にこれは奥4件のお宅の敷地延長部が4つ合わさったもの。内輪のルールで家は建てられないことになっていますが、隣地なので北側斜線がかかります。そのままだと切妻の頂部が斜線に引っ掛かるため、天空率で北側斜線の規制をかわしています。


建て主のSさんは照明マニアで、アアルトやルイス・ポールセンの照明を多数所有されています。天井のやや過剰な配線ダクトは、照明のコレクションをぶら下げるためのもの。緑青吹いた土間の照明はデンマークで買ってきた古いルイスポールセン。


リビングのある2階はできるだけワンルームに、1階は逆に見通せない迷路のような空間というのがSさんのリクエスト。壁は色付きのしっくいです。


庭側が端から端までの窓になった2階のリビング。床から2mくらいのところにある雁行する薄いスラブが、ロフトになったり間接照明になったり。ライトのタリアセンみたいな表現ですね。


リビングからダイニングを見たところ。北側のシンボル窓は室内側から見るとこんなに巨大です。サッシはサーモスXトリプルガラスなので結構色がついてますね。


キッチンは壁側コンロ、アイランド側シンクのニの字型。アイランドの天板はウォールナットのハギ板。ラバーウッド集成材の下地で片持ち表現にしてます。座りながら餃子つくったりするときにもよさそう。


LDから70cm上がった小上がりスペースです。テレビはリビングでなく小上がりに置く予定です。段差の階段の下にはエアコンを仕込みました。

葉山Q邸 今日の現場

逗子S邸は3/30オープンハウスですが、車で15分くらいの距離にある葉山Q邸は来月末の竣工を目指し急ピッチで現場が進行中です。


足場はもう外れていて、舟形の特徴的な平面が立体として見えてきています。舟形平面なので屋根は台形平面を2枚切妻型に組み合わせた形になります。


葉山Q邸の外壁は既製品ではなく、青木工務店オリジナルの目板張りの焼杉。お施主Qさんも焼杉づくりに参加されています。かなりワイルドな表情。


南側立面。左半分は耐震要素としての壁で壁長はcos^2θで評価しています。右半分はバルコニー。西側の屋根ドーマー窓の部分からは海がちらっと眺められます。


北側は左半分が壁で、右側2階が大きな開口部です。海方向道路に沿った抜けを生かす窓です。


1階の寝室。多角形平面の面白い部屋です。天井は梁あらわしですが、グレイの塗装はQさんご主人の施主工事です。内装左官工事もなんとお施主Qさんの施主工事。パテ処理からQさんがやってます。


2階は等ピッチで並ぶ垂木が美しい空間です。この天井および垂木塗装も施主工事。脚立足場では危ないので、積算段階から足場費用をみておきました。


2階南側の部屋はリビングダイニングです。左手がベンチと同レベルとなるバルコニー。正面はダイニングで手前が対面キッチンとなります。狩野棟梁はこの現場が終わると、OGの建築家大久保さんの現場に行くらしいです。


2階北側の部屋は奥様のアトリエ予定地。台形の開口部は複数の窓を組み合わせ、一つの大きな窓に見せる作戦をとっています。といっても一つ一つの窓も結構大きいんですが。

アトリエ北側、ロフトに上がる片持ち階段もできました。なかなか大変な工事ですが狩野さん、Qさん頑張ってください。

逗子S邸オープンハウス

来る3/30の土曜日、建主様のご厚意により、アイプラスアイ設計事務所で設計監理いたしました、逗子S邸 https://iplusi.info/category/blog/zusi-s/
のオープンハウスを開催できることになりましたのでご案内致します。


逗子S邸は山を背負う50坪の敷地に建つ、5人家族のための住宅です。外部はシンメトリーな切妻屋根+黒い焼杉という、シンプルな表現になっていますが、内部はシークエンスに沿って、複雑で多様な空間が展開する有機的な構成になっております。今回、設計当初から建主さんと飯塚の目標は完全に一致しており、結果、完成度の高い住宅が実現できたと思います。ぜひこの機会に実際の空間を体験頂ければと思います。

■住所:神奈川県逗子市久木
■日時:2019年3月30日(土)、am10:00~pm4:00
■最寄駅:JR逗子駅より徒歩14分
■車の場合:近くの施設をご紹介しますのでご相談ください。
■ご連絡先:アイプラスアイ設計事務所 飯塚豊
mail:yutakaiizuka2000@yahoo.co.jp
■当日連絡先: 飯塚携帯 090-6156-7488


なお、見学会は予約制となっております。見学希望の方は、お越しになる大体のお時間、お名前、見学人数、ご連絡先、家作り予定者・設計者・施工者 ・OB・その他の別をお知らせください。当日飛び入りの方は、飯塚携帯090-6156-7488まで、直接お電話いただければ幸いです。(当日、事務所の方には誰もおりませんのでご注意ください)


屋根は剛床で垂木あらわし、壁は色付きのしっくい、床はメルバウ無垢材です。サッシは意匠と性能の両方取りをするために、リクシルのサーモスXトリプルガラス。家のシンボル北面のフィックス窓はW1235*H2430。屋根断熱はネオマの100mm。UA値はHEAT20のG1とG2の中間値ややG2より、0.50です。


ロフトに至る階段下にはトイレが隠されています。階段は右側がスケルトンになっています。キッチンシンクカウンターの天板はウォールナット無垢材。


1階は全体が見渡せない空間にしていていますが、家具の上が抜けていて、天井面は大きくつながっています。木建具は通し手掛け、青木さん自社工場製作のバーチのフラッシュです。

「伊賀の家」がエコハウス・アワード2019「意匠賞」受賞


設計監理や計算でi+i設計事務所が全面的にお手伝いした、三重県の工務店、森大建地産の「伊賀の家」https://passivehouse-japan.org/ja/award2019nominee-pea1909/がパッシブハウスアワードで「意匠賞」受賞したそうです。
Q値0.96、UA値0.27(建もの燃費ナビによる計算)の性能を持つ、森大さんが初めて挑戦した本格的なエコハウス、かつ長期優良住宅で性能全部クリアした上での、「意匠賞」ですから大健闘です。森さん、おめでとうございます

学芸大学H邸配筋検査&耐圧コン打設


学芸大学H邸は3/5配筋検査と耐圧盤コンクリート打設でした。狭少間口のうなぎの寝床。吉田工務店は木の型枠でやることも多いけど、今回は鋼製枠でした。


うちの仕様はスランプ15で、水セメント比は55%以下。温度補正がないので、コンクリートの配合は27-15-20。この日のスランプは15.5cmでした。

この伝票は生コン車の運転手が持ってきて、ポンプ車に磁石で貼り付けます。この一枚からいろいろなことがわかります。配合が事前に提出された配合報告書と一致してるかも確認しなければなりません(ごくごく稀に間違った配合の車が来ることがあります。当然そのままお帰りいただきますが)。都心では、プラントまでの距離が気になるところですが、伝票見るとわずか17分で現場に到着してます。