2018日本エコハウス大賞受賞


おかげさまで、オガスタコラボ第二弾=新潟K邸=グランドピアノのある家、2018年日本エコハウス大賞(新築部門最優秀賞)受賞しました。Kさんおめでとうございます。写真は左から、飯塚、オガスタ相模社長、監督の小林秀さんです。
パワポ資料、会場にいらっしゃれなかった皆様用に下記に全文公開しますのでご覧ください。



私たちアイプラスアイ、オガスタのチームは、内部と外部のあいだの空間、いわゆる中間領域をテーマにして設計しました。


敷地は西側に水路が流れる、新潟市内の整形地です。お施主さんの要望は、リビングにグランドピアノを置ける暖かい家というシンプルなものでした。


ピアノ置くので一階平面は5間四方とやや大きめに設定しましたが、階高・軒高を極端に低くした大屋根の構成を採用し、外皮面積を総2階並の水準におさえました。さらに外皮面積を節約して中間領域を生み出しました。


外観は新潟の風土を強く意識しました。大屋根の勾配はしっかりとり、家の四方に軒を出しました。落雪を気にせず家に出入りできるよう屋根は妻入りに。敷地西側にある水路に自然に大部分の雪が落ちるように、屋根は非対称な切妻を採用しました。新潟の古い民家に習って、外壁は杉にしました。


家の南北中間領域は取って付けた感が出ないようボリュームをえぐってつくりました。こちらの南の中間領域は、高い位置に屋根をかけ、奥行きをたっぷり取りながらも、冬季の日射を遮らないようにしています。


東西北の窓を最小限にするかわりに、南はたくさんの窓を配置しています。窓の決定に際しては、スケッチアップを使ってシミュレーションを行い、隣家の影ができにくい東寄りに窓を集中させ日射取得を増やしています。また夏場の対策として庇を出した上で、窓は引違にし、すだれをぶら下げやすいようにしています。


1階南面はステンレスのブレースを使って端から端まですべて窓にし、2階は光を天井面に反射させて明るい室内を実現しました。中間領域のデッキとフラットになるベンチの下には床下エアコンが設置されています。


平面です。ピアノ上部の吹抜けで室内をほぼワンルームにしてます。さらに端から端まで見通せる抜けや、行き止まりのない回遊動線を確保することで、広がりを演出しています。


矩計図です。断熱は壁210mm屋根310mmでUA値は0.28、Q値は0.96です。垂木は特殊な金物で火打ちや厚物合板を使わずに1.34倍の倍率を出し、耐震等級2を実現しました。


ワンルームになっているので、どこからでもピアノが眺められます。天井最頂部にはトップライトを設置しました。教会のような象徴的な光で上昇感を出しています。またこれは夏の熱気抜きにもなっています。


すのこ状の勾配天井は、音の拡散と吸音を狙ったものです。きちんと吸音させるため、防湿層は断熱材の厚み1:2の位置に入れました。


黒いピアノはインテリアで非常に目立ちます。それを緩和するようシークエンスの要所に暗色を配し、リズムをつくっています。


南の庭はグランドピアノの線形を持った園路が特徴です。


ホームズくんを使って室温の動的シミュレーションも行っています。これはリビングの室温変動ですが、床下と吹き抜けの2台のエアコンで、20度から28度をキープできています。またその時の冷暖房費は一年で28500円程度となりました。


最後にまとめですが、エコハウスを技術・性能の側面から見ると、私たちがテーマにした中間領域、風土性といったキーワードは、枠の外にはみ出してしまうんですが、今回、あえて、そのはみ出した色々なものに注目することで、新潟の古民家が持っているような魅力・価値を家に付与することができたんじゃないかと思います。

「グランドピアノのある家」日本エコハウス大賞 大賞候補ノミネート

i+i設計事務所とオガスタ新潟とのコラボ、新潟市中野山K邸=「グランドピアノのある家」が、日本エコハウス大賞の大賞候補4点のうちの一つに選ばれました。


K邸はレーモンドのカニングハム邸のような断面をした住宅です。
UA値は0.28。HEAT20だと新潟のG2は0.34だから、それを上回る性能です(数字が小さいほど高性能)。サッシは基本APW430ダブルLOWEトリプルガラス、南の引違はAPW330LOWE複層ガラス、壁は全方位断熱付き。天井断熱は高性能グラスウールとウッドファイバー100㎜の組み合わせ。防湿層は両者の中間に入っており、すのこ天井の裏のウッドファイバーは吸音材としても機能。音の響き過ぎを防止します。


エコ住宅というものは、表面積を小さく抑えるため、箱型の単純なフォルムになりがちなんですが、内と外のあいだに「間」をとること=中間領域をつくることは魅力的な『建築』の絶対条件。2階の屋根をふき下ろした形で表面積を節約、その一部を凹ませ、幅の広い大階段を設けることで、たっぷりと奥行きのある中間領域をつくりだしています。窓のすぐ上に深い軒を出すと冬期日射は減りますが、この部分の屋根は高いところにあるので、冬期の日射も問題なしです。

最終のプレゼンテーションと授賞式は11/20(火曜)14:30~16:50@東京ビッグサイトです。オガスタからは相模社長、管理建築士阿部さん、K邸担当小林秀監督東京入り予定。

なお、この公開プレゼンテーション+授賞式はジャパンホームショーの特設講演会のひとつ。https://www.jma.or.jp/homeshow/seminar/program.html
審査員の伊礼さん、西方さん、三澤さん、松尾さん、前さんの他に、堀部さんや森みわさんやもいらっしゃるという噂。こんな超豪華メンバーにも関わらず、定員はたったの70名。事前登録制のようですから、ご興味ある方は早めに登録し、ジャパンホームショーの入場券も入手した方がいいいかもです。

浦和M邸地鎮祭+工事契約


今日10/23は浦和M邸の地鎮祭と工事契約でした。工事会社は毎度おなじみの榊住建ですが、担当今川さんは今回が初。


Mさんの外観の色のイメージも確認。ガルバ横葺きはダークブラウン系、木部はホワイト系にされたいとのことでした。上図はそれをCGで表現してみたものです。お隣の外壁が結構強い緑なので、それも意識して決めたいところです。ブラウン系の場合、お隣と並ぶとチョコミントといった感じになるから、相性は悪くないですかね?


意匠的には、稲毛S邸のように、横葺きガルバはホワイト系(ライトグレイ)、木部はダークブラウン系の方が、サッシのディテールが消えてまとめやすそうなので、一応反転バージョンも作っておきました。外観はホワイトが支配的なので暗い感じにはならないし、2階のデッキまわりは白っぽいインテリアのアクセントになるんじゃないかという気もします。

妙蓮寺T邸 今日の現場


10/13、妙蓮寺T邸現場寄ってきました。敷地は傾斜地で北東方向(写真右手)の眺めが良くなっています。左は元から敷地内にあった大きな桜の木です。


こんな風に桜の木に寄り添うように建っています。


谷側の眺めのいいコーナーは、1階も2階も窓を設けました。この敷地は、とてもいい風が吹くので、ほとんどすべての窓が開けられるようになっています。


谷側の風景を楽しめるよう屋根の上にはペントハウスを設けています。ワイド2.1mくらい高さ1.8mくらいの窓ですが、劇的な光が入ります。


温熱的にみれば北側の窓は最小限にすべきですが、これほどの効果があれば、そんなことはどうでもいい感じがしますね。一応、ペントハウスのサッシはトリプルガラスにしてあります。


天井の低いキッチン部分から南を見たところ。正面やや右に桜の木が見えてます。東側=左手の妻壁はあえて窓を設けていません。ここには200枚のストックがあるというTさんのお父様作の絵を何枚か飾る予定です。


1階の北側から南方向を見たところです。回遊できる間取りになっています。様々な方向から光が入るので薄暗い感じはありません。


家中央の吹き抜け部分です。傾斜地の地形が室内に連続してる感じがします。

 

逗子K邸上棟


逗子N邸上棟しました。ハンマーヘッド型になる北側のファサードは切妻で完全シンメトリーです。


内部は垂木表しの表現。南側上部には、ハイサイドライトがあります。


西側は端から端まで窓。遠くの山並みが綺麗に見えそうです。


合板は全然節が無くてきれいでした。でも塗装しないとまとまらないので、塗装でいきます。


けらばの通気垂木は方向を変え、上部20㎜をカットしてくれたようです。


2層目の野地の施工風景です。


夜景はなんだかお寺みたいですね。結局この日は、ルーフィングまで施工完了しました。

飯能K邸付属棟 設計スタート


飯能K邸は、主屋の隣のKさんのご両親の家の計画が始まりました。外壁は主屋と同じオール杉材。屋根は腰折れ屋根とも調和する、シンプルな切妻で計画します。


小さいけれど密度感の高いインテリアにしたいと思っています。一方で性能も追求。断熱試算してますが、UA値は0.46くらいです。

葉山Q邸 配筋検査&打設


葉山Q邸配筋検査10/4、本日10/9耐圧版の打設でした。今回のスラブ筋はd13@150なので、かなり密な感じ。平面が舟形なので鋼製枠じゃなくて、パネコート枠でやってます。


水セメント比55%以下、スランプ15がアイプラスアイ仕様。JIS工場だと温度補正無しで呼び強度は27になります。この日のスランプ値は16でした。

妙蓮寺T邸上棟


妙蓮寺T邸8/31上棟しました。台風が来るということで、2日間、村木棟梁+大工6名(森兄弟、狩野、石倉、横田他)でルーフィングまでやっつける作戦でした。切妻屋根の中央を起こした北向きのペントハウスが、メチャクチャ効いてます。

加えて2階中央の吹き抜けからは、南側からの光も期待できるから、どこにいても上から光が降り注ぐ形になるはず。南は自分の庭。崖地なので東も北も開けています。


屋根は今回充填断熱。登梁の上に厚物合板を張って剛床とし、その上に通気垂木を流します。軒の出けらばの出は通気垂木で持ち出します。ペントハウスのところは三宿N邸と同じ屋根納まりで、監物板金と打ち合わせ済みです。


ペントハウス部分は、一般部屋根より、屋根をちょっと高くしなければならないというのが、いつも申請出す「確認サービス」のルール。最上部踊り場だけじゃなくて、ペントハウス用階段部からこのルールが適応されるので、こんな具合にちょんまげ状の出っ張りになってます。この部分梁は2段にして、全ねじのパネリードを景気よく打って納めています(1枚め写真参照)。

 

葉山Q邸地鎮祭


来週末、青木工務店と契約予定の葉山Q邸、お施主Qさまご家族、アイプラスアイ飯塚、青木社長・金子さん・山田さんというメンバーで、9/5地鎮祭を行いました。建物は地縄の通り6角形。船みたいな住宅になります。
監督はベテラン山田さん、棟梁は狩野さん(予定)なので早くも安心です。

毎年恒例 グループ展のご案内


今月末 8/31(金)から9/2(日)まで、新宿の全労災ホール展示室にて、毎年恒例の絵のグループ展があります。いろいろな大学の美術系サークルから集まったグループですが、今年は卒業28年目。今回、飯塚は風景画に挑戦しました。


土曜日午前中は打ち合わせのためおりませんが、その他は在廊する予定です。お時間あれば是非お立ち寄りください。

今週末8/25は千葉寺N邸見学会です

今週末オープンハウスの千葉寺N邸。

ようやく足場も取れました。外観はかわいい感じでまとまりました。あと残りは、駐車場舗装と2階のデッキ。植栽は竣工後です。


吹き抜けにはflameの照明がつきました。Nさんこだわりの一品です。吹き抜けの手すりとも雰囲気あってますね。グレイ系のアクセント壁との相性も良いです。ちなみに千葉寺N邸は格好だけ考えてつくった風ですが、UA値0.53(YKKサッシデータによる計算)、夏季η値は2.1、1次消費エネルギー等級5やヒート20G1をクリアできる性能を持った住宅になっております。
いまのところ、ゆっくりご覧いただけると思います。お誘い合わせの上お越しください。詳しくはこちらをごらんください。

千葉寺N邸オープンハウス

来る8月25日(土曜日)、建主様のご厚意により、i+i設計事務所で設計監理を致しました、千葉寺N邸のオープンハウスを開催できることになりましたのでお知らせします。

千葉寺N邸は寺社の多い静かな住宅街に建つ住宅です。平面は3間×5間の長方形。屋根はシンメトリーな切妻。つながった窓が独特な超シンプルな外観となっています。室内は樹脂サッシや屋根の厚い外張りXPSで断熱性を高め、間仕切りを最小限にしてシンプルに構成。建物長手方向にとった「抜け」によって、広がりを生み出しました。外壁は杉板の目板張り、内外とも天井は木で、ローコストながら、それを感じさせない筋の通った建築に仕上がっております。お誘い合わせの上お越しいただければ幸いです。

なお、見学会は予約制となっております。お名前、ご連絡先、ご見学の人数、お越しになる大体のお時間、家づくり予定者・設計者・施工者・OB・その他の別、を下記までご連絡ください。折り返し詳しい住所お知らせします。

  • 住所:千葉県千葉市中央区
  • 日時:2018年8月25日(土)、am10:00~pm4:00
  • 最寄駅:京成千原線千葉寺駅から徒歩12分
  • 最寄駐車場:デイパーク千葉葛城第1(千葉市中央区葛城1-9)
  • 手袋の着用お願い致します。(手袋はこちらで準備致します)
  • お子様でも手袋をされない方はご入場できません。(お子様用の手袋をできるだけご持参ください)
  • ご連絡先: アイプラスアイ設計事務所  飯塚 豊
  • mail: yutakaiizuka2000@yahoo.co.jp
  • 当日連絡先: 飯塚携帯 090-6156-7488

※建築関係者の皆様は、飯塚の師匠、大高正人氏が設計した千葉県文化会館(建築学会賞)、同図書館(docomomo登録建築)も併せてご覧いただければと思います(千葉寺N邸より徒歩13分)。

伊賀の家 色彩検討


伊賀の家、外壁仕上げ色再検討中です。今日は、画像編集ソフトで周辺建物も含めた色彩計画を検討しました。これが現在工事中の状態。


完成イメージ。外壁の杉板は、田舎なので(ここは猿野(ましの)という地名なんですが先日リアルで猿見ました)もろ木の色だと埋没してしまうから、あえて、やや人工的なちょっとオレンジっぽい色で着色します。しかし、背景となる建物(森大建地産の本社屋と倉庫)が目立っているのが気になりますね。


仮に背後の建物を黒っぽく塗装すればこんな感じになって、背景建物と黒々とした山々が一体に見えてくるはず。


さらに、黒い背景建物の足元を緑化すれば、計画建物群との間に距離も生まれるし、背景建物の存在感は薄れそう。


近景にも緑を入れて、らせんに逆巻いていく動線を演出したいですね。

松戸N邸、雑誌LiVES100号に再登場

LiVES100
松戸N邸、100号記念「もう一度訪ねたい!あの家はいま?」のコーナーに掲載いただきました。過去17年の誌面を代表する、5つの事例のひとつとして選んで頂いているということで、大変光栄です。
築7年なら物があふれるのが普通かと思いますが、N邸のインテリアは訪れるたびに美しく進化し続けています。
ぜひ書店にてお手にとっていただければと思います。