世田谷M邸
敷地は駅近で利便性はいいものの、16坪で建ぺい率60%、建坪は約10坪が限界です。間口は4.6mのうなぎの寝床で、おまけに、南側には、鉄骨造の大きな3階を建設中。そんな厳しい条件の中で、家族4人が暮らす、広々とした明るい家をどうつくるか、それが今回の課題です。
すのこ状のバルコニーは床面積に算入されないというのが当時の世田谷ルール。建ぺい一杯のボリュームに、バルコニーを付加することで、限られた敷地を最大限に活用します。
間取りは上下の層を個室として、中間層をLDKとした、3層の明快な構成です。LDKはステンレスのブレースを利用して、建物、デッキ、道路上空と連続する、長辺方向の抜けを演出。さらに、天井の高い吹き抜け部のハイサイドライトから採光し、明るく奥行き感のある空間をつくりました。LDKの40cmの床段差は、デッキまで連続し、縁側のように、自然と腰掛けたくなるスペースとなっています。
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