目黒I邸
閑静な住宅街に建つ2世帯住宅です。家具でインテリアをつくることを楽しみたいというクライアントのために、以前からそこに建っていた家をリフォームしたかのような、押しつけがましくない、自然で自由な雰囲気の空間を目指しました。
2階の内部は、4方向に斜線制限がかかることを逆手にとって、船底天井を生かした空間に。1階の天井は、構造で必要となる梁を露出させ、古びた感じを出しました。大量の服は、ウォークスルー型のクロゼットに収納し、ぐるぐる回れる回遊動線を生み出しました。
親世帯の1階と子世帯の2階は、インテリアの素材も、キッチンのプランも、浴室も、ご要望に基づき仕様・デザインを変えました。東道路側の立面は現代的な表情ですが、焼杉と波板が作る外観は、いつ建ったのかわからない、新しさと古さが同居するデザインです。
目黒I邸は、そんな風に、あらゆる制約・ご要望を受け止めて、多様性、複雑性を生み出すきっかけとして利用した、個性あふれる楽しい住宅になっています。
■掲載誌
・「LiVES vol.71 いい家の間取り・インテリア」
・「MY HOME+ vol.36 欲しいのは一生モノの家具と家」
・「シンプルな暮らしを楽しむ住まいのルール」