葉山AB邸
海岸まで300m。潮風が心地よい敷地に建つ葉山AB邸は、4人の家族のための住まいです。
グラフィックデザイナーの建主ABさんのご要望は「ホワイトキューブは不可、風土を考慮せよ、庇も出したい」というもの。
幅員の狭い道路の斜線を考慮しながら、大きな室内空間を確保しようとすると、勾配屋根は自然な流れ。周囲の町並みに対しても威圧感が無いように、切妻屋根で軒を下げ、三角形の敷地なりにカットしたら、船のような形の家ができました。
緑の多い路地の風景に溶け込むシックな色合いの外観とは対照的に、内部はカフェのような、カラフルな色づかい。部屋ごとに色が異なる壁面は、見る人に様々な感情を呼び起こします。
日当たりや人通りを考慮して、プランは2階LDK。2階は垂木構造の屋根を持つ、ワンルームの間取りです。2方向の屋根つきバルコニー、浴室、食品庫、ユーティリティをすべて2階に設置して、団欒から家事まで、忙しい家族の生活は、すべて2階で完結するようにしています。
建物は高気密高断熱仕様とし、フラット35エコを利用。通気層付きの外断熱屋根は夏場小屋裏に熱がこもる事もありません。夏は窓を開けるだけでも涼しくなるように、葉山に10年住んで、風の方向を知り尽くしているABさんと相談しながら、窓の位置を工夫しました。
■掲載誌など
「OCEANS 2015.7月号」
「建もの探訪2014.7.25放送」