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新潟T邸 「笹口の家」
 オーガニックスタジオ新潟とのコラボ案件。親の家を一部壊し、子世帯用の家を建てるという計画です。

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■掲載誌
「建築知識ビルダーズ」no.30
「日経ホームビルダー」
「住まいネット新潟」vol.27
「住宅デザインの手帖」書籍

■設計趣旨
 敷地は新潟だが、駅にほど近い市街地で面積はたったの28坪弱。準防火がかかる上、北側の道路を挟んだ向かいには巨大な鉄道の高架が架かる。唯一の救いは西側が公園であること。
 高架の巨大なボリューム感に対応するため、全体のシルエットはシンプルな切妻に。地域では最も一般的な4寸勾配。完全なシンメトリーでで軒を出すデザインとした。敷地をめいいっぱいに利用しつつ、落雪に対する安全性を考慮すると道路方向に妻面を向けた平入りが無理がない。平入りなら公園側から見ると軒が下がるので、木々の背景としても自然である。駐車場と玄関庇を兼ねて、道路側一階はピロティとし、雁木状の表情をつけた。
 窓は方位別に考え方を変えた。北側は遮音とプライバシーの確保のため、窓は少な目に。2階の中央には、切妻の象徴性強調するスリット状の窓を設けた。東側は隣接家屋があるので窓は最少に。南側は引違いの防火サッシを複数個設置するデザインとして、防火と集熱を両立。そして、西側は、ステンレスのブレース材を利用して、端から端までをサッシとして公園の風景を借景した。
 外壁の素材は自然の風合いが生かせる塗料ウッドロングエコ塗装の杉と焼きっぱなしのワイルドな焼杉のツートン仕様。付加断熱の凹凸で、ツートンの立体感をさらに強調した。
 建て主のご要望を一言でいうなら、「性能の高い現代版の民家」。オーガニックスタジオのい安定した高気密高断熱気密技術によって、家の隅々までを使いきる。基礎断熱なので、土間も手軽。1階には巨大な土間玄関と巨大な土間収納を確保。土間はトライアスロンが趣味のご主人のトレーニングや自転車整備など各種作業スペース兼ねる。
 1階の土間玄関から2.5階の子供部屋まで、スキップフロア状に並ぶ各部屋がらせん状に連続する。展開するシークエンスの要所には、レンガ色の壁面を配置。どんよりした新潟特有の空模様の日でも、家全体が明るい感じのインテリアになることを期待した。
 2階は大きなワンルーム。屋根は2×10材を合板でサンドイッチした飛行機の羽根のような構造で、1mの積雪荷重を見る必要がある新潟で、耐力壁線間距離が大きく火打ちも入らないスッキリした空間を実現した。天井の竿縁は合板固定用の釘を隠しつつ、陰影で天井に表情を出すためのもの。
 そのほか、新潟では夏も冬も室内干しが多いので、脱衣は天井が抜けた構造とし、南面の窓から直接日が入る形にした。うえからの視線は施主手作りの布製のタープを利用する予定である。

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