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白井T邸
 約200坪のゆったりした敷地に建つ、切妻屋根のガレージハウスです。
 敷地は市街化調整区域で、インフラ設備は一部ないものの、面積は十分に広く、家族もご夫婦だけ、予算もカツカツではないという、与条件の住宅でした。制約がないため、様々な可能性の案を提案しましたが、恵まれた自然環境を考えると、形状をあれこれいじくり回した家より、切妻のシンプルなカタチの家の方が、周囲の環境と呼応する関係がつくりやすそうなことなどから、建主さんは最初に提案した切妻のシンプルな案を選択されました。
 具体的な設計に際しては、この切妻の型式に、かつての民家のような力強さもたせるため、「屋根架構をストレートにそのままみせること」をテーマに設定しました。そして、切妻屋根が暗示する軸を、敷地の中心軸とぴったり重ねて配置し、軸沿いの眺望を確保しました。
 全体は切妻屋根のブロックの背後にボックスが取り付く形状をしています。建物短辺方向の耐力壁は、すべてボックス部分で確保。切妻の両妻面は、端から端までの開口にして、見通しの良いトンネル状の空間にしています。切妻屋根の内部は細かく架けられた垂木が、風紋のような繊細な陰影をつくります。
 1階は約半分がガレージのスペースで、隣り合う玄関の大きなガラス窓を通して、愛車のケンメリが眺められます。ガレージからは、車いじりで汚れることを考慮して、水回りに直接アクセスできるようにもなっています。
2階はLDKとスタジオが配置されたパブリックゾーンです。吹き抜けを介して床座のダイニングと、椅子座のリビングが隣り合うため、内部の床はスキップさせました。床をずらしたことによって流れが生まれ、切妻の軸性をいっそう強調しています。
 外観は温室の様なシンプルなシルエットを持っており、屋根、壁共、金属板葺きで、モノコックな印象になっています。フロントガラス、リアガラスに対応するような大きく口を開けた両妻の窓、クレーン車のコックピットのような2階の大窓、ピロティ状に足下を浮かすガレージのドアなどによって、メタリック色の抽象的な外観に、はっきりした輪郭を持たせました。こんな風にして、乗物を収納する家自体が、表情豊かなもう一つの乗物のようにつくられています。

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■掲載誌
「MyHOME+ vol31 幸せを呼ぶ間取りと収納で理想の家を作る!」

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